キャバオのブログ

仕事をください…泣泣

タイで大麻買ったら死にかけた話

 

おまんこ〜おいーーーすっ!ww

*これらの内容はフィクションです*

 

【本題】

日本の大麻取締法は厳格であり、それ故に価格も他国と比べると非常に割高だ。そんな中、東南アジアに大麻目的で訪れる日本人は近年増加している。俺達もその1人だった。

タイの夜はカオスを極めていた。美容整形を施しその一生を男の奉仕へと捧げる娼婦、強引な客引きで高額な請求をするキャッチ、その熱気に惹きつけられている多種多様な人種。そして、闇に影を落とす売人。俺達の目的はこいつらだった。

 

女遊びも観光も興味がなかった俺は、メインストリートから外れ売人と接触すべく路地裏を歩いていた。

歩いて3分も経たないうちに、路地裏の細道から手を招くアジア人の男に出会った。痩せたその男の目に光彩は無く、まるで木彫りで造られたかの様な面構えをしていた。俺はこいつだと確信した。


「コカイン、ガンジャ、ハッパ、アイス、ヤーバー」そう男はドラクエの呪文でも唱えるかのように下手くそな英語で俺に話しかけてきた。

ハッパという日本語を使う辺り、日本人観光客をターゲットにしているのだろう。

知らないドラッグに見知らぬ地で手を出すのは怖かったので、ハッパは幾らかと尋ねた。1パケット辺り日本円にして2000円という値段だった。タイの相場は分からないが、日本に比べれば格安なのと歩き疲れたという理由から俺は購入に応じた。

 

そして付いて来いと男に言われ、ストリートでギターを弾いてチップを集めている3人組の男達の所へと案内された。

 

 下手くそなギターを演奏している男達の前に置かれているギターケースの中には約数10円程度しか入っておらず、その前を通り行く人々が足取りを止め、演奏を聴く様な雰囲気は全くなかった。

 

ギターの演奏はただのカモフラージュに過ぎなかった。

 

演奏を聴いているフリをし、その間に取引をすると言った手口を使っていた。

 

先払いで金を支払った後、男は5分後に戻ってくると言い残しその場を離れた。5分後、男は約束通り物と一緒に帰ってきた。

 

その場で吸いたいと言う趣旨を伝えると、男は無造作にポケットから薄汚れ縮れた紙を取り出し、慣れた手つきで大麻を巻き始めた。男が巻き終わると路地の奥へ行くように施された

 

「この辺は普通に人通りも多くて、危なっかしいけど大丈夫なの?」俺はおっさんに尋ねた。

 

「俺たちがあそこで見張っているから、もしGコードが聴こえたら全力で逃げろ」そう男は仲間たちを指差して返答した。

 

Gコード、、、、??

 

俺は困惑を極めた。

 

Gコードが聴こえたら逃げろって言われたけど、俺はGコードを知らなかった。

 

頼むからもっと分かりやすい合図にしてくれと俺は男を憎んだ。だが、時間が惜しいので俺は友達と2人で路地奥へと足を運ばせた。

 

演奏が始まる。それを機に俺たちは火を付けた。様々なコードが空中で絡まり合い、そしてそれは一つのメロディへと昇華され頭の中に立体的な映像として入ってくる。酔った気分の中、俺は必死にGコードを探した。

 

それから約5分後、先に吸い終えた俺は吸い殻を無造作に地面へと残し、ギャラリーも何もいない演奏中のタイ人の元へと帰還した。そして残りの分はどこにあるのかと尋ねると、友人に渡したと言われ俺たちはGコードが鳴らなかった事を幸運に思いその場を後にした。

 

 そして、折角繁華街に居るのだからクラブへ遊びに行こうという事になり、その通りで有名なクラブを調べそこに向かった。クラブの前には3人のセキュリティーが立っており、入場者は随時ボディチェックを受けいた。パケットなんでバレないだろうと踏んでいた俺は、なんの疑いもなくボディチェックを受けた。友人も受けた。

 

問題なかった。

 

しかし、突然1人のセキュリティーの顔が強張った。タイ語を話していたので会話内容は全くわからないが、鼻を触るジェスチャーや表情から匂いのことを言っているのだと悟った。

 

そして1人のセキュリティーから入れと声がかけられ、クラブの階段を上がった。後ろを振り返ると3人のセキュリティーが俺たちの後を付いてきている。まだこの時点では事の重大さに気付いていなかった俺は、入口までエスコートしてくれるのだろう的なノリでいた。

 

入口にある黒のカーテンに覆われたドアを押し開け、中に入った瞬間どこにその巨体を隠していたんだと言いたくなるほどの巨漢な黒人が現れ、俺の肩を掴んだ。その男に倣うように、また左右からセキュリティーが現れ俺たちを包囲した。完璧なチームワークだった。クラブ内に居た客は期待だったり感嘆であったりを目に宿し、何かショーでも見るような目付きで俺たちを見ていた。それから1人のセキュリティーが人混みを割り、それに続き俺たちは奥のトイレへと連れて行かれた。

 

1人のセキュリティーが持ち物を全部出せと強張った口調で俺たちに言った。

 

 

本当に人生が終わったと確信した。

 


なぜなら、友人は確実に"持っている"からだ

 

数百万という高額な賄賂の支払い、或いは10年以上の禁固刑、最悪の場合死刑が頭を過ぎった。どの選択肢も人生を終わらせるには十分過ぎる条件だった。

 

「トレイに流せ」そう俺は友人に激しい剣幕で伝えた。幸いにも日本語の出来るセキュリティーは居なかった。

「いや、あいつずっとこっち見てるから無理や」そう友人が涙声で俺に言う。

 

そして俺から持ち物検査が始まった。俺が所持していたのは財布、携帯、煙草、そしてライターだけだった。それでもセキュリティーは持っている事を確信しているのか、不満げな顔で全部出せと俺に言ってきた。

 

"I am clear!!"何も持ってないと叫びながら、衣服を全部脱ぎ本当に何も持ってない事をアピールした。そして諦めの付いたセキュリティーは俺の持ち物検査を終了し、友人のボディチェックを行った。

 

繰り返すが、友人は持っている

 

この入念な検査から、到底運良く見つけれない可能性は0に等しかった。

 

友人は慌てて靴を脱いで、靴の中を見せたり服を脱いで持ってないアピールを懸命にした。

しかしその努力虚しくセキュリティーがポケットに手を突っ込んで中身を確認した。まず左ポケットから携帯が取り出された。そして右ポケットからパケの入っている財布が取り出された。

 

そしてセキュリティーが折りたたみ財布の中を開けた。

 

意識が遠のくのがわかった。現実逃避ってやつかもしれない。そして、セキュリティーがプラスチックの袋を取り出したように見えた。

 

そのあと6人居たセキュリティーのうち、5人がトレイから出て行き俺たち2人と黒人1人が残された。

 

泣き出しそうな友人の顔を見ると、こっちまで泣きたくなった。今から警察を呼ばれ、連行されるのだろうと思った。

 

俺は賭けた。

 

ここで人生終わるくらいなら、セキュリティー殴ってでもこの場所から逃走してやろうと思い立った。

 

「隙みて走って逃げるぞ」俺はそう友人に伝えた。

 

無言で頷く友人。

 

セキュリティーが俺たちから目を離した瞬間、俺はトイレを飛び出し人混みの中を掻き分けるよに走った。飛び交う怒声、割れるグラス音。全ての音を置き去りに、クラブの出口まで駆け抜けた。暗いフロアの奥から、薄っすらと出口が見えた。ドアを押し上け、階段をまさに転がり落ちるように駆け降りた。

 

下では先ほどのボディチェックが行われており、俺は背の高い外国人の背後に隠れるようにしてその場をすり抜けた。

 

それから人生を賭けた徒競走が始まった。

両脇から罵声にも近い声量で客引きしている娼婦の声、薄紫やらオレンジに輝くネオンの色、鼻に付く独特の香りと噴き出る汗が混じった異様な匂い。まるで夢の中で走っている気分だった。

 

ギラギラと目に付くネオンの彩光は身体中の毛穴から体内に侵入し、血中の中を駆け巡った後、彩光はその輝きを失い口からフワフワと二酸化炭素として吐き出ている。

 

誰しも初めは個々の美しさを持っているが、老いていく中でその美を喪っていくまるで人間のような彩光を放つネオンだった。

 

そんな彩光に心を奪われながらも、なんとか自我を保ちタクシー乗り場まで走った。

 

後ろを振り返ると友人の姿がなかった。まさか、友人だけ捕まったのではないかと勘繰った。

 

俺だけ助かるのはとてもじゃないけど出来なかったので意を決して、逃げ出したクラブに再び訪れた。

 

「Where is my friend」友人は何処にいるのかとセキュリティーに尋ねた。するとあっけらかんとあっちに歩いて行ったと指を指した。

 

逃げ出したんだから、また連行されると思ってた俺はセキュリティーの意外な対応に拍子抜けした。

 

あぁそうか。ここはタイだから、没収程度にすんでお咎めは無いんだとそう考えた。そして、ストーリーを歩いていると友人の姿が見え再会を果たした。

 

「マジで助かったな。良かった」そう俺は友人に言った。

 

「ガチで人生終わったかと思った」そう答える友人

 

「てか、没収だけで済んでよかったな」そう俺が言うと

 

「え、まだ持ってるけど」そう言って友人は財布の中のパケットを俺に見せてきた。

 

「嘘やろ。俺取られたと思ったんやけど」そう尋ねると

 

「咄嗟に小銭入れの裏ポケットに入れて、そこはチェックされなくて変な紙だけ抜かれた」

 

まさに九死に一生を得た瞬間だった。友人のボディチェックをした黒人は小銭入れの中まで調べておらず、ほんの後一歩のところで俺たちは助かった。そして俺が友達の財布から取られたと思ってた物はただのレシートだった。

 

そこからは淡々としており、俺たちはコンビニで水を購入し入念にうがいをした後、バイクタクシーを拾い3人乗りで繁華街を後にした。

 

そして俺達はホテルへと向かう道すがらにある海に向かってパケットを放り投げた。